歴史に詳しくない人でも、「ヒトラー」の存在くらいは知っているでしょう。

あのナチスのトップであり、20世紀最悪の独裁者とも呼ばれた人間です。

一時期、ヒトラーに対する国民からの支持率は90%を超えるほどまでに上昇し、「人の心を掴む」という能力に関して言えば、非常に長けた人物であることが伺えます。

彼自身の行為を肯定するつもりは一切ありませんが、「人の心を掴む能力」という部分に関しては、ビジネスマンとして学べる部分は大いにあるのではないでしょうか。

そこで今回はそのあたりをテーマにしてお話していきたいと思います。

ヒトラーが利用した、”共通の敵”を作るという支配戦略

ヒトラーがここまで多くの人の心を掴んだのは、彼の”演説の上手さ”が要因だと考えている人も多いです。

確かにヒトラーの演説力はズバ抜けていて、それが要因となって民衆の支持を勝ち取っていたのは間違いありません。

ですが、さらに掘り下げて調べていくと演説の上手さ以前に、彼のある”戦略”の有効性が浮かび上がってきます。

それこそが、「共通の敵を作る」という戦略です。

共通の敵を作るというのは、ヒトラーと民衆との間で、共通の存在を敵に回すということなのですが、ヒトラーはあの「ユダヤ人」を悪者に仕立て上げ、民衆に対して「ユダヤ人=極悪人=敵」というように洗脳しました。

当時の歴史の背景として、ヒトラーが属していたドイツは第一次世界大戦に負け、賠償金の支払いなどで国が貧しくなり、失業者が街に溢れ出す状況でした。

貧しさからドイツ国民の不満は募る一方だったのですが、その貧しさを生み出している悪の根源こそがユダヤ人だという洗脳をすることで、ユダヤ人を敵に仕立て上げたのです。

それによってヒトラーと民衆との間で”共通の敵”になったのがユダヤ人なのですが、こうして彼は民衆との距離を一気に縮めることとなります。

というのも、私たち人間というのは「自分と共通点のある人を好きになる」という傾向があるからです。

これは心理学の世界では「類似性の法則」などと呼ばれているものなのですが、例えば職場などで嫌いな上司や使えない部下などを「共通の敵」として悪口を言い合うと、一気にその人と距離が縮まった経験ってありませんか?

『あの上司、しつこくてムカつくわ〜』
『分かる分かる!俺もそれ思ってた!』

なんて会話をすると、以前とは比べものにならないほど距離が縮まるものなのです。

これこそが「類似性の法則」の効果になります。

ヒトラーはその法則を利用し、「ユダヤ人は敵だ」と民衆にすり込むことで共通の敵を作り上げ、民衆との距離を縮めることに成功しました。

ヒトラーが支持率90%を超えるほどに民衆から支持されたのは、そういった戦略が関係していたということなのです。

もちろん、彼がここまで支持されたのには他にも細かい要素は色々ありますが、ヒトラーがこの「類似性の法則」を活用していたのは紛れもなく事実です。

そして、これはビジネスにも十分に活かせる戦略・知識だと思います。

実際、情報商材などを販売するビジネスでは、この戦略が非常に多く利用されています。

情報商材を売るためのセールスページなんかを見ていると、

『あなたが稼げないのは、決してあなたのせいではありません。稼げないノウハウを教えている詐欺師たちのせいなのです!』

といった感じの売り文句を見かけますが、これはまさに「詐欺師」を共通の敵に仕立て上げることで、読み手との距離を縮めようとする狙いがあったりするのです。

他にも様々な方法で色んなビジネスにこの戦略は利用されていますが、非常に効果の高いものですので、くれぐれも悪用禁止でお願いします。

また、こういった知識を単に知っておくだけでも、色んな売り込みから自分を守ることにも繋がると思いますので、そういった意味でも参考にしてみてください。

では以上です。